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読む 飛鳥遊歩道 第九話・酒船石遺跡~蘇我入鹿の首塚

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第九話・酒船石遺跡~蘇我入鹿の首塚

飛鳥遊歩道-9

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亀型石造物の酒船石(ふなさかいし)遺跡を後にして飛鳥寺を目指します。道中の風景が少し赤みをおびてきました。日没が迫っています。この地域の生活道路を歩んでいくと、左前方に飛鳥寺が小さく見えています。ここを左に入ると本シリーズの最終番組のゴールです。

門の左に大きな石碑。「飛鳥大仏」とあります。この石碑は、寛政4年1792年のもので、当時すでに「飛鳥大仏」と呼ばれていたことがわかります。門をくぐると本堂です。この本堂は、文政8年1825年に再建されたものです。飛鳥寺は、蘇我氏の氏寺で、日本最古の本格的寺院でもある法興寺(ほうこうじ)の後身です。開基(かいき)は蘇我馬子であると伝えられています。飛鳥寺の本尊、釈迦如来坐像です。飛鳥大仏の通称で知られ、国の重要文化財です。7世紀初頭、鞍作鳥(くらつくりのとり)が作ったといわれています。左側に鐘付き堂、飛鳥寺を抜けて西に進み、蘇我入鹿の首塚に向かいます。親子がボール遊びをするのどかな広場を通り過ごすと入鹿の首塚です。645年の飛鳥の政変乙巳の変(いっしんのへん)で中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)と藤原の鎌足によって宮中で暗殺された入鹿の首が祀られています。このあと大化の改新が行われたのです。

そして、その向こうには、入鹿が邸宅を築いていたという甘樫丘(あまかしのおか)が何も無かったように今は悠然とかまえています。夕日のなかの美しい飛鳥の風景です。

本番組がシリーズの最終話です。