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読む 鞍馬街道・鞍馬山 第二話・由岐神社~鞍馬寺勅使門

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第二話・由岐神社~鞍馬寺勅使門

鞍馬街道・鞍馬山-2

読む 蔵馬街道・鞍馬山

由岐神社を後にして鞍馬寺本殿金堂に向かいます。少し歩くと、左側に句碑です。鞍馬の生んだ俳人山本青瓢(やまもとせいひょう)は、鞍馬を題材に多くの句を残しています。その中の一句。火祭りや 鞍馬も奥の 鉾(ほこ)の宿 その句碑のちかくに石段があります。何でしょう、立派な石塔です。義経供養塔とあります。800年あまり前のこと、牛若丸7歳の頃から十年間住んだ東光坊(とうこうぼう)の跡地に建てられていました。蝉しぐれの中にしずかにたたずむ義経供養塔です。

道をへだてたその前に赤い社があります。川上地蔵堂です。牛若丸の守り本尊が祀られていて、牛若丸は、毎日の修行の時にこの地蔵尊にお参りしたと伝えられています。ここでも義経なのです。

坂を登って行くと、前方に不思議な枯れ古木が現れました。よくみると、今はかれていますが、「へ~!木の中に新しい若木の幹と根があります」不思議な感動が身体を包みます。この道は、牛若丸も走りぬけ、清少納言も歩んだ道なのです。

前方に五町石です。スタートの仁王門が八町石でしたから、ちょうど330メートル歩いてきましたよということですか。まだほんの少しです。随分歩いたような気分です。蝉の声と木々に囲まれ清少納言の気持ちが少し分かりました。「近そうで遠いんです!この道」

四町石につきました。なかなか手ごわい、ゆるやかな登り道です。清少納言は「枕の草子」で「情愛の無い兄弟や親類の間柄は、鞍馬寺のつづらおりの参道のように、一見近そうで遠いものだ」といい、そしてまた「遠くて近きは男女の仲」と言っています。中々現代風でおもしろい表現です。

ゆっくりとマイペースで登って行くと、右前方に今回のゴール勅使(ちょくし)門が見えてきました。その手前に句碑がありました。初代管長 香雲(こううん)が読んだ歌です。
つづらおり まがれるごとに 水をおく やまの清さを 汲みてしるべく

鞍馬寺勅使(ちょくし)門に着きました。この門は中門とも四脚門とも呼ばれています。元は仁王門の脇にあって、朝廷の勅使の通る門でした。今は移転され、本殿金堂への中門となっています。

次回は、鞍馬寺本殿金堂までをおおくりします。