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読む 飛鳥遊歩道 第七話・石舞台古墳~岡寺

読む 飛鳥遊歩道
第七話・石舞台古墳~岡寺

飛鳥遊歩道-7

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昔、天井石を舞台にして月の夜、狐が美女に化けて舞を見せたという石舞台を後にして、西国7番霊場岡寺へ向かいます。

石舞台駐車場の西隣の道路を北に向かいます。ここは車の交通量が多い道ですので、十分に注意が必要です。すこし飛鳥遊歩道からはずれているのかもしれないと思いつつ歩んでいくと、前方に岡寺へはこちらの看板「ああよかっと」とひとりごと、その看板をたよりに道を下っていきます。左側の畑で小さな野焼き、煙のにおいが子供の頃の故郷のなつかしさを呼び起こしました。ここを右にまがってここからは極端に急な舗装された上り坂です。自転車で周遊される人達は、ここを敬遠される人も多く、また訪れる人も自転車を降りておして上っています。前方の青空の鮮やかさが目に染み入ります。この道は這い上がるという表現が合う坂道です。

前方に岡寺の仁王門が見えてきました。やっと到着しました。このタクシーは観光地ではよく見られる「観光タクシー」というものでしょうか。

西国7番霊場岡寺の石碑青空にはえる岡寺仁王門です。立派な仁王さん、子供の頃「うそをついたら踏み潰されるぞ!」 と父にいわれ、父の足にしがみついた事を思い出しました。仁王門をくぐると情緒豊かな石畳の道、この岡寺は真言宗の寺院で龍蓋寺(りゅうがいじ)といわれ西国三十三箇所の第七番札所です。古くから、この土地の地名より「岡にある寺」「岡寺」と親しみをこめて呼ばれています。日本最初の厄除け霊場として知られています。厄除け霊場でも日本最初です。飛鳥はすごい所です。左右に厄除け祈願ののぼりの間を抜けて本堂へ、ここを通り抜けるだけで十分厄除けできたような心持になりました。

これが本堂で、1805年に上棟(あげむね)をしてから完成までに30年の月日をようしたといいます。高さ5メートル弱の如意輪観音坐像が祀られています。見つめていますとおもわず手を合わせていました。このお寺の鐘の音は格別で、聞いているだけでと厄を洗い流してくれそうな気分になりました。飛鳥の里に年中鐘の音が響いています。そこからすこし石階段を上っていくと、美しい三十宝塔です。飛鳥の里からも、山の中腹にこの美しい三十宝塔を見ることができます。飛鳥の里ののぞかな風景に、万葉人になったかような気分になれました。

次回は、酒船石遺跡(さかふないしいせき)までの道を紹介します。