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第三話・鞍馬寺勅使門~本殿金堂
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この中門、別名勅使門(ちょくしもん)をくぐって鞍馬寺本殿金堂に向かいます。ここからはよく整備された石畳の道となります。
ここで鞍馬寺の歴史を紹介しましょう。大仏次郎(おさらぎじろう)の小説鞍馬天狗でもしられ、新西国十九番札所の鞍馬寺は、「鞍馬蓋寺縁起(あんばがいじえんぎ)」によると、鑑真の高弟鑑禎(がんてい)が、宝亀3年772年のある夜、霊夢を見て、山城国の北方に霊山があると告げられた。その夢のお告げの霊山を尋ねた鑑禎は、その霊山の上方に宝の鞍を乗せた白馬の姿を見た。後をおってその霊山に入り、鬼に襲われ殺されそうになった時、木が倒れてきて鬼はつぶされて難を逃れることができた。翌朝そこには、毘沙門天の像があったので、鑑禎は毘沙門天を祀った寺を建立したと伝えられています。毘沙門天というのは、四天王のうち北方を守護するということですから、都の北方を守るということでしょうか。
すこしゆるやかな坂道になってきました。つづら折の坂の踊り場的なところには、休憩ベンチがあります。みなさん一休みです。
鞍馬寺のつづきのお話、延暦15年796年に藤原伊勢人(ふじわらいせと)の夢の中に、子供が現れ「観音も毘沙門天も名前がちがうだけで、実はもともと一つのものだ」と告げた。こうして藤原伊勢人は千手観音像をつくり、毘沙門天とともに安置したと伝えられています。鞍馬寺の本尊は尊天とし、毘沙門天、千手観世音(せんてかんぜおん)、護法魔法尊(ごほうまほうそん)の三身を一体として尊天と称しています。では護法魔法尊とは、650万年前に金星から地球に降り立ったもので、そのお年は、16歳のまま、年をとることのない永遠の存在と言われています。その三体が本殿金堂に祀られています。パワースポットとしては最強といわれています。なるほど鞍馬天狗も護法魔法尊であったのでしょう。強いのは当然です。
鞍馬寺の歴史はわかったのですが、ここからは一段と急な石段です。ウォーカーステーションTVの掲示板に投稿いただいた夢の牛若丸さんが「まるで牛若丸」と奥様に言われたのは、この坂を八艘飛びのようにかけのぼったからでしょうか。非常に美しい石段の坂道です。その道の登りきった所が、実は第一話で紹介したケーブルの終点駅から来る道と合流することになります。「うん、なるほど、なるほど」ケーブルがある訳がここまで上ってきてわかりました。これが今登って来たみちの風景です。すこしゆるやかな道です。
しばらく歩くと、お手洗いと展望スペースがあり、このベンチで私はお弁当をいただきました。ここから眺望し、晴れ晴れとして私も天狗になったような気分になりました。さて、本殿金堂まではもう少しです。急な階段を登ります。登りきってもまた階段、これこそが最後の階段でしょう。すると、右側に参拝者のための無料休憩所洗心亭(せんしんてい)があります。ちょっと立ち寄ってみました。のれんをくぐると、心なごむ空間です。おみやげ、おかし、アイス、そして無料のお茶、みなさんくつろいでいました。ここで私もお茶をいただきました。どこにしようかな、ここに座らせていただきました。そして、京しぐれをいただきました。「おいしかった!」休憩している間に雨が降ってきました。しばらく洗心亭で雨宿りさせていただきました。
雨があがったようです。さあ本殿金堂です。最後の階段かな「また階段です」ここでもつづら折りです。やっとのこと本殿に着きました。たくさんの人がお参りしています。ここのこま犬は、阿吽(あうん)の寅です。鑑禎が鬼に襲われ、毘沙門天に助けられたのが寅の月、寅の日、寅の刻だったためだと伝えられています。はじめて見ました寅の狛犬。「なんでしょう」参拝者のしぐさが異なります。天にむかって手をひろげ天からのパワーを身体全身で受け止めているようです。ここはパワースポットなのです。六角形の中に三角形、その上に身体をおくとパワーをいただけるようです。「私にパワーを、パワーをください」と祈っているのでしょうか。行列のできるパワースポットです。パワーをいただいた後は、本尊にお参りです。並はずれたご利益がありそうです。
次回は、木の根道をへて、大杉権現社(おおすぎごんげんやしろ)までをおおくりします。