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読む 熊野古道・中辺路Ⅰ 第四話・剣ノ山経塚跡~距離道標4

読む 熊野古道・中辺路Ⅰ
第四話・剣ノ山経塚跡~距離道標4

熊野古道・中辺路Ⅰ-4

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剣の山経塚(つるぎのやまきょうづか)を後にして、距離道しるべ4を目指します。滝尻王子から、八百万(やおよろず)の神々が祀られていたという剣山(つるぎやま)の山腹を九十九(つくも)折によじ登り、不寝(ねず)王子、剣の山経塚をすぎるとそこからは、すこしなだらかな道です。ここの道も熊野詣で賑わった平安時代の風情が残る道で、非常に古道情緒豊かな道です。木々のあいだより光がこぼれ、平坦な道で、ふうふう言いながらよじのぼってきた先程の道とは違い、うれしくなります。木の根が、道一面に這い出す、自然と一体感が味わえる熊野古道のベストウォーキングの道の一つであるといえます。本当にすばらしい道です。木々のこもれ日と石と木の根が這い出ている道から一変しました。ここは、ぱぁっと開けた道、青空が広がっていました。すばらしい日和です。道中道しるべがわかりやすく非常に安心します。平坦な土道がつづく歩きやすい道です。どうやら最初の難関をクリアしたようです。分岐点に来ました。左へ行けば展望台、右が本線で「ヤッホーポイント」があるとのこと、私は右に道をとりました。「ヤッホーポイント」はどこかなと思いながら歩いていたのですが、見つかりません。残念でしたが、前に進みました。ここは、道一面に落ち葉、ふかふか絨毯のように柔らかい道です。落ち葉を踏みしめる足音が、快いリズムとともに身体をつつみます。ごほうびのような物かな?と思うと口元がおころんでいました。今度は、杉林の中の道、今までの明るさかうそのように暗くなりました。熊野古道は陰と陽を繰り返し隠(こもり)くにの熊野へ進んでいく、変化に富んだ祈りの道です。歩いていると昨晩の降った雪が消えずに残っていました。距離道しるべ4に着きました。滝尻王子からここが、ちょうど2キロメートル歩きましたよという標識です。次回は高原熊野神社(たかはらくまのじんじゃ)までの道です。

熊野古道・中辺路Ⅰ 地図のご案内

熊野古道・中辺路Ⅰ

滝尻王子から大坂本王子まで

滝尻バス停→滝尻王子→不寝王子→剣ノ山経塚跡→距離道標4→高原熊野神社→一里塚跡→大門王子→十丈王子→上多和茶屋跡→大坂本王子

協力:社団法人 和歌山県観光連盟

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